健康コラム 2025.07.25

【腸活!】腸内環境改善で美肌&ダイエット

美容・健康と腸内環境

【腸活!】腸内環境改善で美肌&ダイエットを徹底解説!

腸内環境を改善すると、免疫力UPや体質改善、肌質改善、睡眠の質の向上、体臭・口臭の改善など健康や美容にとって多くのメリットがあると言われています。近年は「腸活」がトレンドになるなどその注目度も高まりました。逆に、腸内環境が乱れた状態を放置していると、免疫力の低下や大腸がん、認知症、精神疾患のリスクが高まることなどもよく知られています。

腸内環境を整えるためには、食生活をはじめとする生活習慣を改善することが大切です。しかし、腸内フローラに関する情報には近年明らかになった意外な事実などもあり、思い込みだけで腸活をしてもあまり効果が出ないことがあります。

今回は、腸内環境をコントロールする仕組みや腸内環境の改善方法についてまとめていきます。

腸内環境を整えるメリット4選

腸内環境を整えるメリット4選

ダイエット効果

腸内環境を整え、腸内にたくさんの善玉菌が棲みつくようになると善玉菌の働きにより「短鎖脂肪酸」が作られます。短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、プロピオン酸の3つがあり、いずれも良い効果をもたらす身体にとって欠かせない物質です。

例えば、酢酸が脂肪の蓄積を抑制したり、酪酸がエネルギー消費を高めたり、ストレスを軽減したりといった効果が知られています。腸内環境を整えると、こうした善玉菌により生産された物質がダイエットにつながる様々な効果を発揮するため腸活はダイエットにも効果的だと言われています。

美肌効果

「肌は腸を映す鏡」と言われるほど、腸内環境と肌状態には密接な関係があるとされています。腸内環境が乱れると皮膚の状態も悪くなり、肌のバリア機能の低下などを引き起こします。

また、腸内細菌のバランスが崩れ悪玉菌が増加すると、腸管のバリア機能が低下し、腸内から有害な物質や微生物が侵入してしまうため免疫システムが反応します。この免疫システムの反応により炎症や免疫異常を引き起こすため、皮膚の炎症が起こりニキビなどの肌トラブルが発生します。

腸内環境を整えることで、炎症や肌トラブルの起きにくい、潤いのある美肌に近づくことができます。

免疫力の向上

腸は最大の免疫機関とも言われるほど、腸内環境は免疫機能と深い関わりがあります。免疫システムを担う免疫細胞の約7割は腸に生息しており、口から侵入したウイルスや細菌などから身体を守っています。

腸内細菌のバランスが良いと免疫細胞が活性化され、病原体と戦う抗体が生産され、免疫機能の調整もよく働くようになります。こうして腸管免疫が良く働くことによりさらに腸内細菌のバランスも良くなり免疫力がアップするという好循環になるのです。

便秘・下痢の改善

腸には食べ物を消化し、栄養素や水分を吸収、不要なものを排泄するという働きがあります。腸内環境が悪化すると、こうした腸の機能が低下するため、便秘や下痢などの症状が頻繁に起きるようになります。

刺激の多い食べ物やアルコール、脂っこい食事は腸に負担をかけ、且つ腸内細菌のバランスを悪化させるため、腸内環境が悪循環に陥ります。腸内環境を整える食事や生活習慣を心掛けることで腸の働きが改善し、便秘や下痢なども改善します

腸内環境を整える方法

腸内環境を整える方法

腸内フローラとは

腸内環境の改善で必要なことは、おもに腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らすといった “腸内フローラを整える”ことです。腸内フローラとは、腸内に生息している細菌の集団のことで、顕微鏡で腸内を観察するとお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれるようになったとされています。

腸内細菌は約1000種類以上の細菌が100兆個以上存在し、人間が消化できない成分を代謝しやすいものにつくり変えたり、腸のバリア機能を保つことで免疫力をつけたりという役割があります。これらの腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されます。

  1. 善玉菌:ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌など人体に良い影響を与える細菌
  2. 悪玉菌:大腸菌やウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌など数によっては食中毒の原因にもなるような、人体に悪影響を与える細菌
  3. 日和見菌:腸内の善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢かを見極め、優勢な方に加勢する細菌

これらの細菌は互いに密接に関わり合いながら、複雑にバランスをとっています。日和見菌は聞きなじみのない方も多いと思いますが、実は3種の中で一番割合が高いのは日和見菌で、全腸内細菌の約7割を占めています。

腸内環境で身体が変わる!

日和見菌には善玉菌と悪玉菌の優勢な方に加勢するという特徴があるため、腸内環境が悪化し悪玉菌が多くなった腸では、日和見菌が悪玉菌の仲間となり腸内フローラが崩れてしまいます。善玉菌が多くなることで、日和見菌を味方につけ腸内フローラを整えることができます。

腸内フローラの理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7 とされています。

健康な人では基本的には悪玉菌が善玉菌よりも多くなるということはあまりないようですが、病気にならないまでも、便秘や肌荒れ、臭い、ストレスなどが気になる方は理想よりも悪玉菌の割合が高くなっているかもしれません。

腸内フローラを整える方法

腸内フローラを整えるには、やはり善玉菌を増やし悪玉菌を減らすことが重要で、具体的な方法は大きく分けて3つあります。1つは生きた善玉菌(プロバイオティクス)を直接摂取する方法、2つ目は善玉菌にとって棲みよい環境を整える方法、3つ目は乳酸菌生産物質を摂取するという方法です。

善玉菌の棲みよい環境づくりに有効な食品成分は、プレバイオティクスとも呼ばれます。プロバイオティクスとプレバイオティクスは名前が似ているためややこしいですが、全く別のもので、そのどちらもが働き相乗効果をもたらすことで腸内環境改善効果を高めることができます。腸内フローラのお花畑に例えて言えば、畑を耕し肥料を撒いて育ちやすい環境をつくるのがプレバイオティクス、そこに蒔く種がプロバイオティクスのようなイメージです。

プロバイオティクス

プロバイオティクスとは、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内フローラを整える働きを持つ生きた微生物のことを指します。ヨーグルトや納豆などの発酵食品に含まれる善玉菌を積極的に摂取することで腸内フローラの改善が期待できます。

中でもヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富なため、腸内環境改善のために摂っている方も多いのではないでしょうか。しかし、ここで1つ気を付けておきたいのは、食品から摂取した善玉菌は生きたまま腸まで届いても定着はできないということです。

例えば乳酸菌と一口に言っても300種類以上が存在するため、必ずしも私たちの身体に棲んでいる常在菌と同じように馴染めるというわけではないからです。生まれ持つ腸内細菌の種類にも個人差があり、摂取した乳酸菌との相性にもよりますが、食品から摂取した乳酸菌はおおよそ十数時間から10日前後で体外に排泄されると言われています。このため、常に腸内に乳酸菌を補うためにはできるだけ毎日摂取して補充するということが重要です。

乳酸菌は摂っても意味がないということではなく、合う菌をきちんと摂り続ければ腸内環境改善に働いてくれますし、乳酸菌が生きて届かなくても、腸内で他の善玉菌のエサになることで腸内環境を改善する効果は期待できます。さらに善玉菌には乳酸や酢酸を作り出す働きがあり、その酸が腸内の㏗を酸性に傾けるため、善玉菌を摂ることで酸を嫌う悪玉菌の数を減らす効果も期待できます。

【プロバイオティクスを含む食品】
ヨーグルト、納豆、チーズ、みそ、
しょうゆ、キムチ、ぬか漬け

特に善玉菌の豊富なヨーグルトについては後ほど効果的な食べ方をまとめていきます。

プレバイオティクス

プレバイオティクスとは腸内の善玉菌を増やす作用を持つ食品成分のことで、善玉菌が棲みやすい環境を作るという腸内環境改善に欠かせない働きがあります。

プレバイオティクスにはオリゴ糖と食物繊維があります。オリゴ糖や食物繊維には腸内でビフィズス菌などのエサになる働きがあり、さらに増えたビフィズス菌が酢酸などを生み出すことで悪玉菌を減らす働きもあります。また、食物繊維は腸内の余分なごみをかき集めて排便を促す働きがあるため、腸内環境の改善に効果的です。

【プレバイオティクスの豊富な食品】
豆類や玉ねぎ、ゴボウ、アスパラガス、
ブロッコリー、アボカド、バナナ

乳酸菌生産物質

乳酸菌生成物質とは、乳酸菌が食物繊維やオリゴ糖をエサに、発酵により作り出す代謝産物のことで、近年話題の短鎖脂肪酸をはじめ、ビタミン類やポリフェノール、アミノ酸、クエン酸などがあります。

腸活として乳酸菌などの善玉菌を増やした方がいいと言われる理由の一つには、この乳酸菌生成物質が腸内環境や健康にとって良い働きをすることが強く関わっています。しかし実は、生きた乳酸菌をそのまま食べても、腸内で生きて十分な代謝産物を作り出すことは難しいと言われています。

乳酸菌は生きて腸まで届くのが難しく、たどり着いても腸内には他の棲みついている常在菌がびっしりとひしめいているため、そこに棲みつくことができないからです。このため、近年はこの乳酸菌生産物質を直接取り入れるという方法も注目されています

中でも短鎖脂肪酸は近年の研究で、安静時のエネルギー消費量の向上、体脂肪の低減、便秘解消など腸活だけでなくダイエットにも嬉しい働きをすることがわかっています。

その他の方法

腸内の善玉菌を増やすためには悪玉菌を増やさない食事を心掛けることも大切です。

悪玉菌を増やしてしまう食生活として注意が必要なのは、たんぱく質や脂質の多い食事です。たんぱく質は健康や美容の面でしっかりと摂取することが推奨される成分ですが、悪玉菌のエサとなるため摂りすぎると腸内環境の悪化につながります。また、脂質の過剰摂取も悪玉菌を増やす原因になります。特に肉の脂身や揚げ物、バターなどは1日1食までにするなど摂りすぎに注意しましょう。

腸内環境改善に効果的なヨーグルト

腸内環境改善に効果的なヨーグルト

ヨーグルトの種類

ヨーグルトに含まれる善玉菌には主に乳酸菌とビフィズス菌があります。ヨーグルトに特に多いのは乳酸菌のイメージですが、実は大腸内の乳酸菌とビフィズス菌の割合は、乳酸菌0.1%、ビフィズス菌99.9%と、ほとんどがビフィズス菌であるということが分かっています。本来ヨーグルトなどの栄養豊富な環境で生きる乳酸菌は、環境の異なる人体の中では栄養不足や胃酸などの消化液によって弱ってしまうとされています。

つまり人間の体内で棲みやすいのはビフィズス菌だということ。このため、これからヨーグルト生活を始めるという方は、腸内に棲みつきやすいビフィズス菌の入ったヨーグルトから試してみるのがおすすめです。

ヨーグルトの効果は1日2日でわかるものではなく2週間程度続けてみて身体に良い変化があるかどうかで自分に合っているか判断する必要があります。生まれ持つ腸内細菌の種類は個人により極めて多様であるとされるため、友達や憧れの芸能人がいいと言っていいたものが必ずしも自分に合うとは限りません。自分で試してみるのが1番です。

また、1度良いと思って続けても慣れてくると効果が感じられなくなることがあります。その場合は、そう感じたタイミングで別のものを検討してみてください。

ヨーグルトの食べ方

①タイミングは食後や食後2時間程度

ヨーグルトに含まれる善玉菌が元気な状態で腸まで届くためには、消化液の影響を受けにくくする必要があります。空腹時は胃酸が強いため、乳酸菌などが死んでしまい腸内で効果を発揮することができません。食後は胃に他の食べ物が入っていて胃液が薄まっているほか、食後2時間程度は胃酸の分泌が収まっているため、善玉菌が生きたまま届きやすいと考えられます。

反対に、善玉菌の効果を期待せず、食事の血糖値の上昇を抑えたい方やヨーグルトの栄養素を効率よく吸収したい場合は食前の摂取が効果的です。

また、腸内環境の改善を狙う場合、就寝前に食べるのがおすすめです。腸の動きが最も活発になるのは、起床後15~19時間程度と言われています。睡眠時間から逆算すると基本的には就寝時間の前後にあたると思います。就寝の直前だと睡眠の妨げや体脂肪の増加につながる可能性がありますので、就寝の2時間程前、遅くても1時間前には食べ終わりましょう。

②量は100~200g程度

身体に良いとはいえ、食べ過ぎは脂質やたんぱく質の過剰に繋がります。適正な量は小鉢1杯分程度の100~200gです。

③オリゴ糖と一緒に摂る

乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスとオリゴ糖や食物繊維などのプレバイオティクスを一緒に摂ることをシンバイオティクスと言います。シンバイオティクスは、腸内フローラの改善に向けてより効果的に働きかけることができます

ヨーグルトにあわせるのであれば、てんさい糖をかけたり、バナナを一緒に摂ったりするのがおすすめです。ただ、バナナは果糖も豊富なため就寝前の摂取はおすすめできません。ヨーグルト以外でも納豆とめかぶを一緒に食べたり、味噌汁にわかめを入れたりすればシンバイオティクスになるため相乗効果が期待できます。

④ホットヨーグルトにする

ヨーグルトを腸の温度に近い40℃程度に温めると、身体を温め便秘改善に効くというメリットがあるほか、カルシウムの吸収が高まる、乳酸菌が活発になるといった効果が期待できます。ホットヨーグルトは美味しくなさそうそうと感じる方もいるかもしれませんが、やってみると意外といけます。

乳酸菌は熱に弱く60℃になると30秒ほどで死滅してしまうため、電子レンジで温める場合は500Wで40秒程度が目安になります。分離が気になる場合は、温める前にスプーン1杯程度の少量の水をかけることで分離を防ぎ滑らかにすることができます。温めたり、水を加えたりした場合は特に菌やカビが繁殖しやすくなるため、時間を置かずすぐに食べるようにしましょう。

デブ菌・痩せ菌って?

デブ菌・痩せ菌って?

近年、善玉菌や悪玉菌の分類とは別に、デブ菌や痩せ菌という名前を聴くことも増えてきましたが、デブ菌、痩せ菌とはどのようなものなのでしょうか。名前の通り、デブ菌は太りやすい体質に関連する菌、痩せ菌は痩せやすい体質に関連する菌ですが、その多くは日和見菌に属しています

デブ菌は主にファーミキューテス門に属する悪玉菌の仲間になりやすい菌で、痩せ菌は主にバクテロイデス門に属する、善玉菌の仲間になりやすい菌です。痩せ菌であるバクテロイデスは短鎖脂肪酸をつくり脂肪燃焼を促す作用があるとされ、サプリメントなども存在しています。

腸活を通じてダイエットをしたいという方は痩せ菌を増やすことがおすすめですが、乳酸菌やビフィズス菌と同様、それが腸内に棲みつけるとは限りません。痩せ菌が好む環境は善玉菌が好む環境と同じであり、デブ菌が好む環境は悪玉菌が好む環境と同じです。脂質やたんぱく質を摂りすぎず、食物繊維やオリゴ糖を適度に摂取し、善玉菌や痩せ菌にとって棲みよい環境を整えることが重要です。

まとめ

腸内環境が整うと、美肌やダイエットなどの美容面や免疫機能、睡眠の質など様々な面で良い効果が期待できます。腸内環境を整える、腸活の方法も一つではなく複合的に行うことで相乗効果が期待できます。身体について何か一つでもお悩みのある方は、腸内環境が悪くなっていないか振り返り、改善のための食生活を心掛けてみてください。