美容コラム 2025.08.22
【紫外線対策!】今も将来も美肌の秘訣

美肌作りにおいて一番大切だと言う人も多い”紫外線対策”。紫外線が肌に与える影響は日焼けだけではありません。肌の老化の原因の80%は光老化だとも言われるほど、紫外線はシミやシワの大きな原因になっていたり、またニキビなどの炎症や皮脂の過剰分泌、ターンオーバーの乱れなどの原因になっているとも言われています。
全ての肌トラブルの原因ともいえる紫外線ですが、単に紫外線を防ぐだけでなく美肌を目指すためには、生活シーンや肌質などに合わせた対策が必要です。そのために重要な日焼け止めの選び方や使い方、その他のUVケアアイテムについて解説していきます。
≪目次≫
塗る日焼け止めの種類
SPFとPA
日焼け止めを買う際、まず気にしたいのはSPFやPAなどの紫外線カットの程度を表す指標です。いずれも高ければ高いほどいいというわけではなく、その特徴を知り、状況や環境に合わせた日焼け止めを選ぶことが大切です。

SPF
SPFは皮膚が赤く炎症する“サンバーン”を起こすまでの時間を本来の何倍に伸ばせるかを表す指標です。サンバーンの原因となるのは紫外線の中でもUV-Bですので、SPFの数値が大きい日焼け止めはそれだけUV-Bから肌を守ってくれるということになります。具体的に言うと、SPF値はサンバーンを起こすまでの時間を何倍に伸ばすかを表しており、SPF30の場合は30倍、SPF50の場合は50倍に伸ばすという意味の表示になっています。
日焼け止めを塗らない場合、日本人が真夏の晴れた日にサンバーンを起こすまでの時間は平均して25分程度と言われています。色白の方はやや短め、色黒の方はやや長めです。例えばSPF30 の場合は本来のサンバーンまでの時間を30倍にできるということになりますので、
25分×30≒12時間半
12時間半程度の時間サンバーンを防ぐことができるレベルのUVカット効果があるという目安を示しています。しかし実際には汗や摩擦などによって日焼け止め自体が落ちてしまうため、朝に1度塗ったら十分ということではなくこまめな塗り直しが必要です。
紫外線の種類と特徴はこちら → コラム「【意外と知らない!】生活環境にあふれる紫外線」
PA
PA値はUV-Aによる皮膚の黒化が日焼け止めを塗らない場合に比べてどれだけ防げるかを表す指標です。PAの+の数が多いほどしっかりとUV-Aを防いでくれるという目安になります。
具体的には、数時間後に皮膚の黒化を起こす最も少ないUV-A量が、日焼け止めを塗らないときに比べ塗ったときでどれだけ増えるかを示したUVAPF(UVA Protection Factor of a Product)を基準に表記がされています。
PA+ | UVAPFが2以上4未満(UVA防止効果がある) |
---|---|
PA++ | UVAPFが4以上8未満(UVA防止効果がかなりある) |
PA+++ | UVAPFが8以上16未満(UVA防止効果が非常にある) |
PA++++ | UVAPFが16以上(UVA防止効果が極めて高い) |
UV-Aはいわゆる日焼けの原因となる紫外線ではなく、シミやしわなど光老化の原因となる紫外線です。日焼けを買う際、SPF値だけを見ているという方もいますが、実はPA値も重要な指標ですので注意して見るようにしましょう。
紫外線カット剤の種類
日焼け止めに使用される紫外線カット剤は、紫外線をカットする方法によって、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類に分けられます。使用感や肌への馴染み方、肌に与える影響などにもそれぞれ特徴があり、日焼け止めを選ぶ際の基準の一つとして見ておくのがおすすめです。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、紫外線のエネルギーを吸収して他のエネルギーに変えることで、肌への影響を抑えるものです。化学反応によって紫外線をブロックしているため、紫外線吸収剤が入っていない日焼け止めには“ノンケミカル処方”などの表記がされています。
紫外線吸収剤は肌なじみが良く、白浮きやきしみ感が少ないというメリットがあり、日常的な使用に向いています。まれにアレルギーを起こすこともあり、一般的に紫外線吸収剤の方が刺激が強いと言われることが多いですが、個人差があります。
肌に優しい紫外線吸収剤が使われるように進化もしているため、使ってみて肌トラブルが起きたということがなければ、あえて避ける必要もないかもしれません。
紫外線散乱剤
紫外線散乱剤は微粒子の粉体が紫外線を物理的に反射させるものです。使用されるのは主に酸化チタンや酸化亜鉛などの粉体のため、白浮しやすくきしみ感の出るものが多いです。
一般的には紫外線散乱剤の方が紫外線吸収剤よりもかぶれるなどの炎症が起きにくいですが、紫外線吸収剤よりも紫外線散乱剤の方が合わず反応してしまうという方もいます。
多くの日焼け止めは紫外線吸収剤と紫外線散乱剤を混ぜて調整をしており、SPF値やPA値の高いものはこれらの紫外線カット剤が高濃度で使用されています。紫外線カット効果は高いですが肌への負担も大きくなるため、状況や肌質に合わせて選ぶようにしましょう。
日焼け止めの性状と特徴

日焼け止めには、クリーム、ミルク、ローション、ジェル、スティック、スプレー、パウダーなど様々な種類があります。落ちにくさや馴染みやすさ、手軽さなどに特徴があるため、自分の求める特徴に合わせて選んだり、状況に合わせて使い分けたりするのがおすすめです。
クリーム
クリームタイプの日焼け止めはしっとりとしていて保湿力が高いという特徴があります。使用感は比較的こっくりとしたテクスチャーのため密着力が高く、落ちにくいものが多いという点で人気があります。
日焼け止めの効果自体は得やすいですが、塗りやすく伸びが良いというタイプではないため塗った感が出やすく、それが苦手な方にはあまり向きません。また油分が多いため、特に脂性肌の方は、毛穴の開きやニキビなど肌トラブルの原因になることも考えられます。
ミルク(乳液)
ミルクタイプの日焼け止めはクリームタイプに比べ伸びが良く、保湿力も十分に高いため化粧下地としても使えるものが多いです。肌への密着力も比較的高く、デイリー使いしやすいため人気があります。
クリームタイプほどではありませんが、比較的塗った感は出やすいため苦手な方には向きません。また、クリームタイプほど水や摩擦への耐久性は高くないためこまめな塗り直しがおすすめです。
ローション(2層式)
2層式のローションタイプは、成分が2層に分かれており、使用前にしっかりと振って混ぜてから使用します。比較的軽い使用感ですが、水に強いものが多く海やプールなどレジャーの際にも使いやすいものが多いです。
一般的にはクリームタイプやミルクタイプに比べ、白浮きやきしみ感は出やすいですが、徐々に改善された商品も増えています。
ジェル
ジェルタイプは非常に伸びが良く、清涼感やみずみずしさのあるさっぱりとした使用感で人気があります。さらっとしているため塗った感が苦手な方にもおすすめです。
一方で、一般的にクリームやミルクに比べ密着力が低く、汗や水に比較的弱いため海やプール、スポーツの際にはあまり向かないという特徴があります。また、デイリー使いでもこまめな塗り直しが必要です。近年はジェルUVという商品名でもウォータープルーフやこすれに強いタイプのものが開発されていますので、商品ごとにも特徴は異なります。
スティック
スティックタイプの日焼け止めは繰り出して使用し、手を汚さずに塗れるため外出先での塗り直しに便利です。また、塊でついてしまうことがなく密着性も高いため、首回りなど目に見えない部位や細かい部位への使用にもおすすめです。
直接肌に触れて使用するため、衛生面を考え一度使用したものを長期間に渡って使用するのは避けましょう。
スプレー
スプレータイプの日焼け止めはスティックタイプ同様手を汚さずに使うことができ、頭皮や髪、つま先などの細かい部位にも使用することができます。身体の日焼け止めとして使用するには、急いでいる際の塗り直しに便利ですが、ムラになりやすいためメインで使用するには少し頼りない部分があります。
パウダー
パフを使用して付ける粉タイプのもので、化粧直しとして使用できます。ボディに使用する際は単体での使用ではなく、他のタイプの上から重ねて使用することでべたつきを抑え、持ちをUPさせることができます。
日焼け止めの選び方
日焼け止めを選ぶ基準には、SPFやPAなどの紫外線カットの指標だけでなく、紫外線カット剤などの成分や使用感などを含めて選ぶ必要があります。
美肌のための日焼け止め選びで大切なのは
- ①生活シーンごとに十分な紫外線防御効果を発揮できるものを選ぶこと
- ②日焼け止め成分による肌トラブルが少ないものを選ぶこと
です。
美肌のためには、ただ単に紫外線カット効果の高いものを選ぶのではなく、日焼け止め自体が肌に与える影響も考え、総合的に見て肌トラブルを最大限に抑えることが重要です。

例えばデスクワークの方が朝や夕方の通勤時のみ屋外にいる場合、日焼け止めの紫外線カットの指標はSPF15前後、PA+程度で十分だとされています。SPF50、PA+++程度が必要なのは炎天下でのレジャー活動時で、さらに紫外線が強い場合や紫外線に敏感な方はSPF50+、PA++++を使用することが推奨されています。
紫外線カット剤については、紫外線吸収剤も紫外線散乱剤も肌への負担が少なくなるように工夫され始めていますが、必要以上にサンカット指数が高いものを日常使いしても刺激が増えるだけです。美肌のためにはシーンに合わせた使い分けをおすすめします。
冬場はUV-Bはかなり減少するのに対しUV-Aはピーク時の半分程度にしか減少しないため、冬場は夏場よりもPA値を意識して日焼け止めを選択するのがおすすめです。また、屋内でもUV-Aのみガラスを透過して紫外線が入ってくるため、特に窓際にいる際にはUV-A対策が必要です。
部位別の使い分け方
メインで使用する日焼け止めのタイプは、まず顔と身体で使い分けるのがおすすめです。基本的に顔用と身体用のものでは毛穴への配慮や美容成分の配合量などが異なります。兼用のものもありますが、顔や首周りの皮膚は特に繊細なため、日焼け止めは特に肌に優しく保湿力の高いものを選びましょう。
反対に身体に塗るものは広範囲に伸ばす必要があるため、伸びが良く密着力の高いものがおすすめです。中でも紫外線カット効果が期待しやすいのは、2層に分かれていて振って使用する2層式のローションタイプやミルクタイプです。乾燥肌の方は保湿力の高いクリームタイプがおすすめで、長時間屋外にいるときは、汗をかいても落ちにくいウォータープルーフのものがおすすめです。
塗る日焼け止めの使い方

使う日焼け止めの種類以上に重要と言っても過言ではないのが、日焼け止めの塗り方です。どんなにいい日焼け止めを使っても、塗り方を間違えれば商品の効果を発揮することができません。紫外線カット効果を十分に得るためにも正しい使い方をマスターしましょう。
日焼け止めの適切な使用量
日焼け止めの効果を十分に得るためには、実はかなり厚くしっかりと塗らなければいけないと言われています。その参考として見たいのがSPFやPAを測定する際の日焼け止めの塗布量です。
サンカット指数であるSPFやPAは、1㎠あたり2㎎を塗布して測定されています。人の顔の表面積は平均して400㎠ほどあるとされているため、商品に記載されている通りの紫外線カット効果を発揮するためには、顔だけで0.8gを塗布する必要があります。これは、乳液タイプのもので500円玉大程度です。
環境省が発表している紫外線環境保健マニュアル2015では、顔に塗る量はクリームタイプでパール2個分、液状のもので1円玉2枚分をそれぞれ2回に分けて重ね付けすることが推奨されています。また、脚や腕に使用する場合は線を描くようにして容器から出すように記載されています。サンカット指数の測定方法を考えても、それだけしっかりと量を使わなければ商品本来の効果が発揮できないということがわかります。
たとえ高級な日焼け止めを買ってももったいなくてちまちま使ってしまうと、紫外線を防ぐことができなくなってしまいます。逆に、塗り方さえしっかりすればサンカット指数が低い商品でも日常生活においては十分な紫外線カット効果を得ることができます。商品ごとに適切な使用量や使用方法については記載がありますのでそれを参考にケチらずしっかりと塗るようにしましょう。
【参照】環境省|紫外線環境保健マニュアル2015→ https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full/matsigaisen2015_full.pdf
日焼け止めの塗り方
顔
日焼け止め適量を手に取り、額、鼻、頬、顎に5点置きして広げます。化粧をする場合は基本的にスキンケアの後、メイクアップの最初に塗りましょう。スポンジを使って密着させると持ちが良くなります。首からデコルテ周りも顔用の日焼け止めを使用して塗ると顔とトーンを合わせやすいためおすすめです。
身体
脚や腕は直線をかくように容器から直接出し、左右に広げながららせんを描くように全体にまんべんなく広げていきます。手に出してからつけるとムラになりやすく、日焼け止めの効果を十分に発揮できなくなってしまうため注意しましょう。
顔はもちろん身体も、日焼け止めの上からパウダーを重ねるとヨレにくくなり持ちがUPします。長時間屋外にいる日などはパウダータイプの日焼け止めやパウダーファンデーションなどを重ねるのもおすすめです。
日焼け止めを塗るタイミング
商品にもよりますが、日焼け止めは塗った直後は肌となじみきっておらずヨレやすいと言われています。あまり早く塗りすぎても落ちてきてしまいますので、外出の直前ではなく15分ほど前に塗るのがおすすめです。
また、サンカット指数が高いウォータープルーフの商品でも、完全に塗った直後の状態を維持することは難しく摩擦や汗などによって徐々に崩れていってしまいます。紫外線を浴びる環境にいる場合は2~3時間おきに塗り直しをすることが理想です。他にも海やプールなど水に入ったり、たくさん汗をかいたりした際はそのタイミングで塗り直しましょう。
季節や天気は問わず使用することが理想ですが、冬場に厚いコートを着る下にうでにまで日焼け止めを塗る必要はありませんので、服であまり守られていない部位だけでも塗るようにしましょう。
日焼け止めの落とし方
日焼け止めの落とし方は商品によって、お湯で簡単に落ちるものからボディソープや洗顔料で落ちるもの、クレンジングを使用しないと落ちないものまで様々あります。クレンジングを使用しないと落ちない、ウォータープルーフのものや汗やこすれに強いものなど落ちにくい日焼け止めは、耐久性が高い分、落とすときに肌への負担が高まります。
日焼け止めは肌に残ってしまうと、そこから炎症などを引き起こし肌トラブルの原因になることもあります。かと言ってクレンジングで落とし続けるのも肌にとって負担になる可能性があります。肌が強い方は良いですが、特に肌が強くない方、敏感肌の方は、日常使いの日焼け止めとして購入する際、日焼け止めを落とすときの肌負担も考慮し、水で落ちる、石けんで落ちるなどの表示も気にして見てみましょう。
また、湯船に浸かることで洗い残しやすすぎ残しが少なくしっかりと落としやすくなります。落ちにくい日焼け止めを使用した日は湯船に浸かるのがおすすめです。
飲む日焼け止め

塗る日焼け止めと比べると聞きなじみのない方も多いと思いますが、内側から紫外線によるダメージを抑えるサポートをするものとして注目されているのがこの飲む日焼け止めです。飲む“日焼け止め”と言われると紫外線をブロックして日焼けを防いでくれるように勘違いしてしまいますが、紫外線による日焼けを防ぐものではありません。
飲む日焼け止めの効果については、紫外線によるメラニンの生成を抑えたり、発生した活性酸素を抑えたりというのが主な目的です。そのため、塗る日焼け止めと同等の効果を得られるものではなく、塗る日焼け止めは別で使用したうえであくまで補助的に使用するものと考えてください。
アスタキサンチン | 抗酸化作用を持つアスタキサンチンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性、紫外線を浴びた肌を乾燥から守り、肌のうるおいを守る機能性が報告されています。 |
---|---|
ルテイン・ ゼアキサンチン |
ルテイン・ゼアキサンチンには目の黄斑色素密度を上昇させる働きがあり、紫外線・ブルーライトなどの光の刺激からの保護機能があることが報告されています。ルテインとゼアキサンチンが共に働くことでその効果を発揮するとされています。 |
βカロテン | 抗酸化作用を持つβカロテンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性があることが報告されています。 |
リコピン | リコピンには抗酸化作用により紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能があることが報告されています。 |
赤パプリカ由来 キサントフィル |
抗酸化作用を持つ赤パプリカ由来キサントフィルには、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性があることが報告されています。 |
これらは、いずれも安全性や機能性の根拠に関する情報などを消費者庁に届け出た、機能性関与成分にあたるもので、生命活動に必須の栄養素ではないものの、様々な機能的効果が期待される成分です。日焼けによる肌ダメージやメラニンの生成を抑える効果が期待できます。特に抗酸化作用のある成分は、紫外線によって発生した有害な活性酸素を抑え、細胞へのダメージを軽減することで、老化の進行を妨げる効果が期待できます。
他にも、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、やポリフェノール、またターンオーバーや皮膚の再生をサポートするビタミンB2やビタミンB6は紫外線による肌ダメージの軽減をサポートする効果が期待できます。
飲む日焼け止めの成分として代表的なものには“ニュートロックスサン”や“フェーンブロック”がありますがこれらは機能性の届出がされておらず、現時点では科学的根拠が不十分とされています。サプリメントは謳い文句のみに惑わされず、成分もよく見て選びましょう。原材料名の表示には配合量の多い順に記載しなければならないというルールがあり、さらに指定添加物は/や改行の後、後半に記載されるという規則になっています。配合割合などが気になる場合はその表示順も参考にしてみましょう。
日傘

日傘の紫外線防御の指標
日傘の選び方として、一つ大事な指標になるのがどのくらい紫外線防御できるのかという点です。日傘の紫外線防御の指標はいくつかありますので、日傘に付いている表示について意味が理解できるようにしておきましょう。
UVカット率(紫外線遮蔽率)
UVカット率は日本独自の規格で、紫外線をカットする度合いのことです。紫外線対策のための日傘としては、99%以上のものがほとんどです。紫外線カットに加え撥水の効果もついた晴雨兼用傘も増えてきています。メインで雨傘として使うには撥水効果が落ちやすいですが、UVカット効果は縫い目が細かくなる分、案外高めなものが多いです。
遮光率
遮光率は、可視光線をカットする度合いを示したものです。勘違いされがちですが、紫外線は可視光線ではないため、遮光率が高いだけでは涼しさはあっても紫外線カット効果は期待できません。
UPF(紫外線保護指数)
UPFは国際基準の指標で、紫外線が日傘の生地を通過する分量によって示されるものです。日焼け止めの指標であるSPFと似たような形で示されますが、例えばUPF30の場合は、紫外線量を30分の1にカットでき、使用することで普段の30倍、日焼けまでの時間を伸ばせることを意味しています。
UVカット素材の種類
UVカットのしくみには2種類あり、UVカット素材を使用したものと、UVカット加工を施したものに分かれます。このうち後者である一般的な生地に後からUVカット加工を施したものは、摩擦や日光など様々な要因によって経年劣化しやすく、寿命は2~3年ほどと言われています。
市場にあるほとんどの日傘はUVカット加工を施したものであり、UVカット素材を使用したものは高級なものが多いです。保管時はなるべく暗所に保管し、必要以上の劣化を防ぐようにしましょう。また、数年経ったけど傘を変えたくないという場合はUVスプレーをかける方法もあります。
日傘の色
紫外線を防ぐための日傘の色は圧倒的に黒がおすすめです。黒は最も紫外線を吸収してくれる色と言われています。しかし黒は熱を最も吸収する色でもあるため、白などの淡い色の日傘に比べ体感温度がかなり高くなります。
暑さもしのぎたいという場合におすすめなのは、外側が明るい色で、内側が黒い傘です。紫外線は散乱や反射をするため、日傘によって直射日光を防いだとしても、地面から反射した紫外線が身体や傘の内側に届きます。さらに傘の内側から身体に反射すると間接的に紫外線を浴びてしまうため傘の内側は紫外線を吸収する黒いものがおすすめです。
また、日傘をさしていても地面に反射した紫外線や大気で散乱した紫外線は避けることができません。焼けたくない部位はファッションアイテムで覆ったり、日焼け止めを塗ったりするのがおすすめです。
その他の紫外線カットアイテム

サングラス
サングラスは目元の紫外線を予防する効果が期待されています。目自体が日焼けのようにダメージを受けることを防ぐほか、全身の日焼け予防にも効果が期待できます。
目に強い紫外線が入ると、それを感知した脳は防御反応として体内でメラニンを生成するよう指令を出すと言われています。それが過剰に生成されることにより、全身の日焼けやシミ、そばかすなどにつながるということです。真夏などの紫外線の強い時期や雪山など紫外線の反射が強い場所では、目の紫外線対策も重要です。
帽子
つばの広い帽子は、顔や首周りの紫外線をカットすることができます。また、日焼け止めを塗りにくい頭皮や髪への紫外線ダメージを抑えることができます。100%カットできるわけではないので日焼け止めは別途必要ですが、首の後ろなど日焼け止めをしっかりと塗りにくい部分をカバーできる安心感があります。
帽子は長時間被り続けると頭皮が蒸れてしまったり、熱がこもって熱中症の原因になったりするため、屋内に入ったら外すなど被りっぱなしにしないようにしましょう。
アームカバー
近年はファッションとしても人気が出ているアームカバーですが、腕の紫外線を防ぐのにも効果的です。暑い夏でも涼しく使える接触冷感のタイプやファッション性の高いものも増えてきていますので、塗る日焼け止めが肌に合わない方や毎日日焼け止めを塗るのは面倒だけど、紫外線は避けたいという方におすすめです。
焼けにくい色や素材の服
UVカット効果のある素材や紫外線を吸収しやすい色は紫外線の侵入を防ぎ肌を守ってくれます。一般的な素材の中で紫外線を防ぎやすい素材はポリエステル、ビニロン、羊毛です。反対にナイロン、綿などは紫外線の透過率が高いと言われています。また、色は黒が一番紫外線を透過しにくく、明るくなるにつれ透過率が上がり白が最も紫外線を透過することが分かっています。
まとめ
紫外線対策について、単に紫外線を防ぐだけでなく美肌を目指すためには生活シーンや個人の肌質に合わせた対策が必要です。ただ闇雲に強力な日焼け止めばかりを使用するのではなく、ご自身の肌質に合わせて自分にある紫外線対策を見つけてみてください。